歯周病治療
歯周病とは About periodontal disease
歯周病は、歯垢の中の細菌に感染することで歯肉の炎症を引き起こす病気です。症状が進行すると歯肉から膿がでたり歯がグラついたりするようになり、最終的には抜歯が必要となる場合もあります。
ASAHIデンタル・オフィスでは、歯周病の進行度に合わせてより的確な治療をご提供します。重度の歯周病でも、歯周外科手術や再生療法などの先端的な治療で症状の進行を食い止めることが可能です。歯がグラついてお悩みの方もご相談ください。
歯周病治療の大切さ
歯周病は初期段階では自覚症状に乏しく、気づかないうちに進行しやすいため、自覚したときには歯を残せない状態になっている場合も少なくありません。
厚生労働省が実施した歯科疾患実態調査によると、30代以上の3人に2人が歯周病にかかっていることがわかっています。30代以降の方は虫歯だけでなく歯周病の早期治療も重要です。歯を守るためには定期的に検診を受け、歯肉からの出血などの症状がある場合は早めに受診するようにしましょう。
まずはご自身の口腔内環境を知ってください
当院では、歯周病治療の大切さを知っていただくことが重要だと考えています。まずは患者さんに現在のお口の状態を確認していただき、治療しなかった場合に想定される歯の状態や、歯周病が全身の健康に及ぼす悪影響についても詳しくご説明します。
歯周病はとにかく早期発見が重要です。当院の院長はこれまでさまざまな歯周病治療を経験しており、わかりにくい初期段階の歯周病も早期に発見できます。大切な歯を守るためにぜひ当院へ定期検診にお越しください。
歯周病の原因
歯周病の大きな原因は、バイオフィルムです。バイオフィルムとは複数の細菌が集まって形成される粘性のある膜のことで、歯垢もバイオフィルムに含まれます。歯と歯肉の境目の歯周ポケットにバイオフィルムが溜まると、歯周病菌が出す毒素によって歯肉の炎症が引き起こされ、歯の周囲の組織が破壊されていきます。
また、不正な噛み合わせによって歯に大きなダメージが加わることで、歯周病の進行を早める場合もあります。そのような場合はバイオフィルムを取り除くだけでなく、噛み合わせを整えることも重要です。
歯周病は全身疾患につながります
近年、歯周病が全身の健康と大きく関わっていることがさまざまな研究によって明らかになっています。歯周病が進行し、歯周病菌や歯周病菌が出す毒性物質が歯肉から血管内に入り込むと、以下のような全身疾患につながる可能性があるのです。全身の健康のためにも、歯肉に異常に気づいたらお早めに受診ください。
糖尿病
歯周病と糖尿病はとくに密接に関わっています。糖尿病になると体の免疫力が落ちるため、歯周病にかかりやすくなります。一方で歯周病にかかると血糖値を下げるホルモンの働きが低下し、糖尿病を悪化させるという逆の影響があることもわかっています。
認知症
歯周病菌や炎症の原因となる物質が歯肉から血管内に入り込んで脳に運ばれると、アルツハイマー型認知症の発症因子であるアミロイドβというたんぱく質が増え、認知症の発症や症状の悪化を招くことが近年の研究で明らかとなっています。
動脈硬化・心臓疾患
歯周病菌が歯肉から血管内に入り込むと、血管の壁に炎症が起こって粥状の脂肪性沈着物が蓄積され、血管が狭くなって動脈硬化を引き起こします。この動脈硬化が心筋に血液を送る血管で起こると狭心症や心筋梗塞などの心臓疾患につながるのです。
歯周病の治療方法 Method of treatment
レーザー照射治療
当院の歯周病治療では、半導体レーザーを用いた「レーザー照射治療」を実施しています。この治療では、歯周病で炎症を起こしている部分に特殊な色素を塗布し、レーザーを照射することで活性酵素を発生させて歯周ポケット内を殺菌します。レーザーの照射時間は歯1本に対して2~3分と短く、痛みや副作用の心配もありません。通常の歯周病治療と合わせて行なうと治療効果をより高めることができます。
歯周内科
歯周内科とは、薬を服用して歯周病菌を除菌する歯周病治療です。歯周病治療は歯周病の原因であるバイオフィルムや細菌を取り除く治療が中心となりますが、悪性度の高い歯周病菌を保有している方などは、それだけでは症状を改善できない場合もあります。そのような場合でも通常の治療に加えて歯周病菌を除菌する薬を約1ヵ月服用していただくと、症状の大幅な改善が期待できます。
スケーリング
歯周ポケットの奥の歯根の表面に付着した歯垢や歯石などを取り除き、表面を研磨して滑らかにする処置です。歯石の表面はザラザラしているため、そこにさらに歯垢が付着して細菌の温床となります。歯周病を改善するには歯石を取り除き、歯垢が付着しにくい状態にすることが大切です。なお歯石は一度取り除いてもしばらくすると再び形成されるため、定期的に歯科医院で取り除く必要があります。
歯周外科手術
歯周ポケット掻爬(そうは)術
歯肉に局所麻酔をしたうえで歯周ポケットの奥の歯根の表面に付着した歯垢や歯石を除去する処置です。外科手術に分類されますが使用する器具はスケーリングと同じで、歯周ポケットの深さが3~5mm程度の軽症の場合に行ないます。
新付着術(ENAP)
局所麻酔をしてメスで歯周ポケットの内壁の歯肉を切除し、歯根の表面に付着した歯石を取り除く手術です。歯周ポケット掻爬術と新付着術(ENAP)の違いは、歯周ポケット内の歯石をスケーラーで取り除くか、メスで切開してから取り除くかという点にあります。
歯肉切除
歯周病の炎症によって歯肉が腫れあがっている場合に、症状が悪化しないように不要な部分の歯肉を切除する手術です。歯肉を切除したら安定させるために縫合します。難易度の低い手術なので、短時間で行なうことが可能です。
フラップ法
歯肉を切開して歯槽骨から剥離し、歯根を露出させた状態で歯周ポケット内の歯垢や歯石、炎症性組織などを取り除く手術です。歯槽骨の清掃やダメージを受けた歯肉の除去なども行ない、歯肉を元の位置に戻して縫合します。
歯周組織再生誘導法で
歯を守る治療
Guiding periodontal tissue regeneration method
以前は歯周病が進行して歯を支える骨が溶けて大きくぐらつくような状態では抜歯以外の選択肢はなかったのですが、最近はこのような状態でも歯を残せる可能性が高まっています。
当院では、症状に合わせてエムドゲイン法やGTR法(組織誘導再生法)、GBR法(骨組織誘導再生法)などの再生治療を行ない、重度の歯周病でもできるだけ歯を残せるように努めています。歯周病でお悩みの方はぜひ一度ご相談ください。
エムドゲイン法
エムドゲイン法は、歯周病の炎症によって歯周組織を失った部分にエムドゲインとよばれる薬剤を塗布することで歯周組織の再生を促す治療法です。
エムドゲインを用いた歯周組織再生誘導法GTR法
GTR法(組織誘導再生法)は、歯周病の炎症によって失った歯槽骨を、人工膜を使って再生させる治療法です。
GTR法:歯周組織再生誘導法GBR法
GBR法(骨組織誘導再生法)は、抜歯などが原因で痩せてしまった歯槽骨を、人工膜を使って再生させる治療法です。
GBR法:骨組織再生誘導法
・内容によっては自費(保険適用外)となり、保険診療よりも高額になります。詳細は歯科医師にご確認ください。
・歯周病の進行状況によりますが、歯垢や歯石の除去時に痛みを感じることがあります。
・治療に対して患者さんが協力的でない場合は、改善に時間がかかり、治療期間・回数が増えることがあります。
・歯周病の基本治療で改善しないときには、歯周外科治療や歯周組織再生療法が必要になることがあります。その場合、歯肉を切開するため腫れや痛みをともなうことがあります。
・治療後歯肉が下がることがあります。
・治療によって歯肉が引き締まってくるため、被せ物と歯肉の段差とが目立つことがあります。
・歯周組織の切開・蒸散、口内炎の凝固層形成、色素沈着の除去などに使用する機器となります。
・自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
・症状によっては、適用できないことがあります。
・歯と歯のすき間や狭い部分など、レーザー光が届きにくい部位には適用できないことがあります。
・このレーザー治療機を使ったことにより、病気が再発しないというわけではありません。一般的な歯科治療を受けられたあと同様に、適切なケアや生活習慣を行なっていないと、病気が再発することがあります。
・内服薬によって歯周病菌を減らす治療です。
・基本的には自費(保険適用外)となり、保険診療よりも高額になります。
・すでに重度の歯周病にかかっている方は、内科的な治療が手遅れになる場合があります。
・定期服用によって耐性ができ、徐々に薬が効かなくなる場合があります。
・ほかの薬を飲まれている場合、飲み合わせに配慮する必要があります。
・ごくまれに、薬による副作用を起こす場合があります。
・妊娠中の方や肝臓などの基礎疾患をお持ちの方は、服用できない場合があります。
・基本的には保険での診療となりますが、治療内容によっては自費(保険適用外)となることもあり、保険診療よりも高額になります。
・ルートプレーニングは、歯肉の中に器具を入れるため通常の歯石除去よりも痛みを感じることがあります。
・歯のすき間に付着していた歯石が除去されることで、歯のすき間が目立つことがあります。
・処置後、歯肉から出血することがありますが、時間の経過とともに治癒します。
・処置後1~2日、何もしなくても痛みが出ることがあります。また噛んだときや歯を磨くときも痛みが出ることがありますが、時間の経過とともに治癒します。
・処置後、しばらく知覚過敏の症状が出ることがありますが、時間の経過とともに治癒します。
・処置後、歯肉の退縮を引き起こすことがあります。
・薬機法(医薬品医療機器等法)において承認された医薬品です。中等度または重度の歯周炎の歯周外科手術の際に、露出された歯根面上に補助的に局所適用します。
・自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
・歯や骨の状態や位置によっては、手術できないことがあります。
・外科手術が必要なため、腫れや痛みをともなうことがあります。
・外科手術が必要なため出血、神経麻痺、血管損傷、術後の腫れやあざを発症する可能性があります。
・歯肉が引き締まってくるため、被せ物と歯肉との段差が目立つことがあります。
・糖尿病、心筋梗塞、脳梗塞などが進んでいる方、がんによる放射線治療を受けている方、ステロイド剤を使った治療を受けている方、妊婦や授乳中の方などの安全性は確立していません。
・喫煙される方の場合、血行が悪くなるため、治癒の遅れや治療効果の低下を招くことがあります。
・糖尿病の方や喫煙される方でエムドゲインによる治療をご希望の方は、歯科医師とご相談いただき、状況によっては治療できない場合があります。